プリンセス・プリンセスの「M」という曲が流行った、
1989年。
この歌の歌詞に、
「消せないアドレス Mのページを 指でなぞってるだけ」
という詞があるのですが、
これはスマホで電話帳から、
「M」で登録している部分を指で画面をタップして削除する、
・・・とかいうことではなく(笑)
1989年の背景から考えるとこれは、
手書きのアドレス帳のことを指しているんですよね。
そう。
当時はスマホどころか携帯電話すらない時代。
アドレス帳に手書きで、
友人たちの電話番号や住所を書いていました。
平成元年頃は、
まだまだ携帯電話なんて身近では見たことがなく、
主に家にある固定電話や公衆電話を使っていて、
後に大ブームを巻き起こす「ポケベル」すら、
田舎の学生だった私はこの時見たことがありません。
(おそらく一部では存在していたと思いますが?)
1989年(平成元年)頃、学生の電話事情
それでは、
友人と連絡を取る手段はどうしていたのかというと、
電話といっても、
一家に一台しかない「固定電話」。
これで友人と電話をするわけですが、
なんせ電話が家にひとつしかない。
しかも家族と共有ということは・・・
当然親の目が厳しくなりますよね^^;
まず電話するにも電話を受けるにしても、
「家族」にバレてしまうというドキドキ感。
特に好きな人の家に電話をかけるとなると、
親が出たらどうしようという緊張感が漂います。
さて無事に?相手と繋がったとしても、
今度は親の目が気になるのです。
つまり長電話することによって、
親が怒るんです。
当時はすでに「キャッチホン」という、
他の人から電話がかかってきたら音がして知らせてくれる、
という便利なものがすでにあったため、
いくら長電話しても他の人からの電話に気付くことが出来て、
そこで一旦電話を切ることが出来るので、
長話で電話が繋がらないということがなくなり、
キャッチホンというのは本当に有難いものでしたが、
・・・問題はそこではなく。
なによりも親が怒る一番の原因は・・・
「電話代がかかる」ということ。
つまり、
長電話=電話代が高くなる
ということになるので、
早く切れと言い出すのです。
さらには我が家の場合になりますが、
家が平屋ということもあり電話の話し声がつつぬけでうるさい、
ということもありますが、
私的には話している内容が家族にバレてしまう、
というのが嫌でしたねー☆
ところで余談ですが、
私が会社に入社した平成6年頃はまだ携帯電話がとても高くて、
ポケベルが主流だったのですが、
仕事中にベルが鳴って会社に電話する手段が、
そこらへんにある公衆電話でした。
なのでいつも小銭&テレフォンカードは常に持参していましたし、
ポケベルが鳴るたび会社に電話しなきゃいけないので、
常に公衆電話がある場所をチェックしていました。
そして平成8年あたりから少しずつ、
携帯電話が普及していったと記憶しています。
携帯がない時代の待ち合わせ事情
さて話は平成元年に戻ります。
高校生となると、
親元を離れて一人暮らしをしている友人というのもいるわけですが、
それでは固定電話がない、
独り暮らしの友人との連絡手段はどうしたらよいのか?
これはただひたすら、
友人が公衆電話から連絡してくるのを待つしかない、
もしくは直接友人宅に行くしかないわけですw
そんな状況の中で一番怖い?のは待ち合わせの時。
友人がなかなか来ないと非常に心配になるわけですが、
今みたいにすぐに本人へ電話が出来る環境じゃないので、
とにかく連絡の取りようがない!
友人が乗ってくるであろうバスを何台も見送り・・・
一体どうしたんだろうと心配になるけど、
どうもできないという。
挙句の果てには生存すらしているのか?
なんていうことを考えていたら・・・
ひよっこり友人が現れる、
といったオチになるわけです(苦笑)
それから30年。
「消せないアドレス」は今や画面上に登録された状態で、
指でタップすれば完全削除される、
スマホや携帯のアドレス帳。
そしてそんな電話は、
家の固定電話ではなくひとり一台はみんな持っていて、
親の目を気にせず、
無料通話で何時間もしゃべれる。
電話事情がこの30年で一番大きく変化した気がします。